PlasmaAquaはなぜ除菌効果があるのか

しくみ

ここでは、PlasmaAquaがなぜ除菌効果があるのかを説明していきます。

その秘密に迫るには、まず、ふたつのキーワードを理解する必要がありますので、確認しておきましょう。

プラズマ

ひとつめは、プラズマです。そもそも物体はエネルギーをもらって温度を上昇していくにつれて、固体から液体、液体から気体と状態(以下相という)を変化させていきますが、気体にさらにエネルギーを加えていくとプラズマという相になります。プラズマは、プラスイオン、マイナスイオンが混在した非常に活性化した状態、つまり、他の物質と反応しようとする力が強い状態なのです。実体験としても炎や雷、オーロラなど身近な例に事欠きませんね。さらに、その性質を利用した電気製品として蛍光灯などが挙げられます。

こういった4つの相変化は水でも起こっています。水は化学記号ではH2Oですね。この水の固体相は氷であり、液体相は水そのもの、気体相は水蒸気として皆さんもおなじみですね。この水にもプラズマ状態があって、いわば“水プラズマ”とも言える相の中に存在する物質は、化学記号ではOH*、読み方はヒドロキシラジカルという物質です。

このヒドロキシラジカルを含む“水プラズマ”は、液体の水の内部で発生させることができるものですが、残念ながら寿命が100万分の1秒という短命の物質です。ただし、そのエネルギーの高さ、他の分子との反応力の強さが、酸化力、言い換えれば除菌力に繋がっているのです。

ウルトラファインバブル(UFB)

もう一つのキーワードは、ウルトラファインバブル(以下UFB)です。これは、水など液体中の気泡(バブル)で、その大きさがナノ(10-8)メートルという超微細な泡のことを言います。通常は空気の泡をさしますが、酸素などいろいろな気体の泡でもよく、この大きさになると、特殊な働きを示すようになります。その顕著なものは、洗浄・殺菌作用です。しかも、浮きも沈みもせずに数か月以上の長期にわたって水中に存在し続けます。その他下記のような性質を持ちます。

  • 液中でブラウン運動をしながら、浮力の影響を受けずに長時間滞在する。
  • 微細気泡がマイナス電荷を帯びており、液体中の物質を吸着したり、材料表面に吸着したりしやすい
  • 生物の酸素吸収が促進され活性化しやすい
  • 微細な隙間に侵入して、個体間と付着物の接触面への浸透性が高く汚れや五百井の元を吸着・剥離できる
  • 液中での気液接触面積が拡大し、溶解・宮中と宇が高効率に行える
  • 見かけ溶存酸素量等が高い溶液になる
  • 各種ガス(O2,N2,CO2,O3等)の気泡を液中に長期間・安定的に存在させることでUFB含有水の機能向上や新しい効果を付与することができる

こういったさまざまな機能をもつUFBは、いろいろな場面で私たちの暮らしを支える縁の下の力持ちとなっています。生産ラインの洗浄、食品の鮮度保持、殺菌、洗浄、農畜産物の成長促進・収穫増加など、数えれば切りがありません。

PlasmaAquaの原理

PlasmaAquaは、この二つの技術(ヒドロキシラジカル、UFB)のいいところを組み合わせた、新しいタイプの除菌、滅菌剤として開発されました。

さて、強い酸化力(除菌力)をもつヒドロキシラジカルですが、寿命が100万の1秒でしたね。これでは持続的に酸化力を発揮することはできません。それを解決するのが、水マイクロパーティクルです。パーティクルとは、一般的には,気体中又は液体中に浮遊したとき,沈降しにくい10μm程度以下の粒形の粒子を指します。今回の水マイクロパーティクルでは、酸素のUFB、過酸化水素(H2O2)、次亜塩素酸(HOCl)の分子が多数集まって大きな塊となっている状態を指し、この中では持続的にOH*(ヒドロキシラジカル)が発生し続ける性質があります。この水マイクロパーティクル(以下OH*パーティクル)の中で持続的に生成されるOH*の存在が、除菌効果を長期にわたって発揮し続ける秘密です。

除菌のメカニズム

除菌のメカニズムは図を見るとわかりやすいと思います。OH*パーティクルが菌・ウィルスに届くと、OH*が菌のH(水素)を抜き取ってH2O(水)となります。Hを抜かれた菌は死滅し無害となります。反応しようとする力の大きいOH*も単なるH2O(水)に変化し活性を失います。このようにして、菌・ウィルスの活性を瞬時に奪うことで、除菌、滅菌、殺菌ができるのです。

除菌の効果

それでは、実際のPlasmaAquaの効果を見ていきましょう。図は手指の除菌の効果を示しています。手指に常在している枯草菌の繁殖を抑えている様子を示しています。手洗い後、アルコール除菌後、そしてPlasmaAquaを噴霧した後、それぞれを37℃を保って20時間培養した結果です。あきらかにPlasmaAquaを噴霧した後は枯草菌の繁殖が抑制されていることがわかります。アルコール除菌よりも効果が高いですね。

今後の展開

このPlasmaAquaは、食器の滅菌、食材の消毒の効果から、一般家庭や飲食店での活用でも普及が見込まれるだけでなく、今後、医療機器の滅菌、がん治療、免疫治療など、医療現場での活用を目指して“プラズマ医療”の世界を切り開いていくべく、研究開発が進められています。

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